秋が深まり、朝晩の気温の低下は冬の訪れが間近であることを感じさせます。そんな中、徐々に色が失われつつある庭園の中で、秋バラの鮮やかな花色が目を引きます。ピンクのグラデーションで品種選びをしたノットガーデン部では、ほのか、うらら、ブラッシング・ノックアウト、ピンク・ノックアウトが咲きそろいました。背景で開花しているゴールデン・ボーダーのやさしい黄色が引きしめ役となって、良いアクセントとなっています。
ホワイトガーデン外周部ではアイスバーグ、コレッタ、マチルダ、ボニカ’82、花霞、フレグラント・アプリコット等々、白、ピンク、アプリコット色のバラが開花しています。
ブロンズ色の葉が美しいペニセツムや、初夏には純白の花を楽しませてくれたアルバ・セミプレナの赤い実が背景となり、春とはまた趣の異なるバラのボーダーを演出しています。
くすの木の丘では原種シクラメン・ヘデリフォリウムが芝のあちらこちらから花を咲かせています。年を重ねるごとに球根が大きくなり、花数も増え、1球からこれだけ多くの花が開花するのかと驚いてしまうほど。大変可憐な花の印象からは想像できないほど、強健な性質をもつヘデリフォリウムは秋から冬の庭園には欠かせない存在です。
(文章:専属ガーデナー 阿部さくら)